自動車税の重課税とは?13年超でいくら上がる?旧車オーナーが取るべき3つの対策

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自動車税の重課税とは?13年超でいくら上がるか、旧車オーナーが取るべき3つの対策

長年連れ添った愛車に乗り続けるオーナーにとって、避けては通れないのが税金の問題。特に「13年を超えると自動車税が高くなる」という話を聞き、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。これは「重課税(じゅうかぜい)」と呼ばれる制度で、あなたの愛車の維持費に直接影響します。

この記事では、自動車税の重課税の具体的な仕組みから、実際にいくら負担が増えるのか、そして私たち旧車オーナーが取るべき賢い対策まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。


なぜ古い車の税金は高くなる?「重課税」の仕組みを解説

重課税は、環境への負荷が少ない自動車の普及を促進する「グリーン化税制」の一環として導入されました。新車登録から一定の年数を経過した、環境負荷が大きいとされるガソリン車・ディーゼル車に対して、税金の負担を重くする制度です。

重課税の対象となる車

あなたの愛車が以下の条件に当てはまる場合、重課税の対象となります。

  • ガソリン車(LPG車含む): 新車登録から13年を超えた車両
  • ディーゼル車: 新車登録から11年を超えた車両

例えば、2012年8月に新車登録されたガソリン車は、2025年度の自動車税から重課の対象となります。毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、タイミングを正確に把握しておくことが重要です。

具体的にいくら上がるのか?2つの税金が対象

重課の対象となるのは、「自動車税(種別割)」と「自動車重量税」の2つです。

  1. 自動車税(種別割)
    毎年支払う税金です。重課対象になると、税額が概ね15%上乗せされます(軽自動車も含む)。
  2. 自動車重量税
    車検の際に支払う税金です。こちらは13年超、さらに18年超と、段階的に税額が上がっていくのが特徴です。

【シミュレーション】あなたの愛車の税金はいくらになる?

では、実際に重課税によってどれくらい税負担が増えるのか、一般的な乗用車の排気量別に見てみましょう。

表: 排気量別・自動車税(種別割)の重課税額シミュレーション
総排気量 通常税額(〜13年) 重課税額(13年超) 差額
1.0L超〜1.5L以下 34,500円 約 39,600円 + 約 5,100円
1.5L超〜2.0L以下 39,500円 約 45,400円 + 約 5,900円
2.0L超〜2.5L以下 45,000円 約 51,700円 + 約 6,700円
2.5L超〜3.0L以下 51,000円 約 58,600円 + 約 7,600円

※2019年9月30日以前に初回新規登録を受けた車両の税額。差額は概算です。

このように、排気量が大きい車ほど、負担増の額も大きくなります。これに加えて車検時には重量税も上乗せされるため、年間で数万円単位の維持費増加に繋がるケースも少なくありません。


重課税に直面した旧車オーナーが取るべき3つの賢い対策

この厳しい現実を前に、私たちオーナーはどのような選択をすべきでしょうか。感情論だけでなく、経済的な合理性も踏まえた3つの対策をご紹介します。

対策1:価値がピークの今「売却」を検討する

最も現実的かつ賢明な選択肢の一つが、愛車の価値が正しく評価されるうちに「売却」することです。近年、世界的なJDM(日本製スポーツカー)ブームにより、一部の旧車の市場価値は高騰しています。重課税による維持費の増加を、市場価値が高まっているタイミングでの売却益で相殺する、という考え方です。ただし、その際は一般的な買取店ではなく、本記事の親記事で解説しているような、旧車の価値を正しく評価できる「専門買取店」に相談することが絶対条件です。

対策2:覚悟を決めて「維持」する

もちろん、金銭的な負担を覚悟の上で、愛車との生活を続けるという選択も尊いものです。この道を選ぶのであれば、重課税だけでなく、今後発生しうる修理費用や部品の入手難といった問題にも向き合う必要があります。信頼できる専門ショップを見つけ、計画的なメンテナンスプランを立てることが、愛車と長く付き合うための鍵となります。

対策3:未来を見据えて「レストモッド(EV化)」を検討する

少し未来の話に聞こえるかもしれませんが、クラシックカーのエンジンを電動モーターに換装する「EVコンバート(レストモッド)」も、新たな選択肢として注目されています。これにより、時代を超越した美しいデザインはそのままに、税金や環境性能といった現代の課題をクリアできます。まだ高価な選択肢ではありますが、愛車の魂を未来に受け継ぐ一つの形として、知っておいて損はないでしょう。


まとめ

自動車税の重課税は、古い車を愛するオーナーにとって厳しい制度であることは間違いありません。しかし、その仕組みを正しく理解し、ご自身の状況と愛車の市場価値を客観的に把握することで、感情的にも経済的にも納得のいく選択をすることが可能です。売却、維持、あるいは未来への投資。どの道を選ぶにせよ、この記事があなたの後悔のないカーライフの一助となれば幸いです。

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