北海道で中古車をサビから守る!下回り防錆塗装の種類と費用相場をプロが徹底解説
「念願の中古車を手に入れた喜びも束の間、ふと車の下を覗いて『あれ、この茶色いのはサビ…?』と不安になっていませんか?」
特に北海道で中古車を購入された方なら、冬の融雪剤(塩化カルシウム)による塩害の恐ろしさを耳にして、夜も眠れないほど焦る気持ち、よくわかります。せっかく手に入れた愛車が、数年でボロボロになって穴が空いてしまうのは、整備士である僕にとっても一番悲しいことです。
結論から言えば、中古車であっても「正しい種類」と「正しい工程」を選べば、サビの進行を食い止め、10年先まで安心して乗り続けることは十分に可能です。
本記事では、北海道の過酷な環境で20年下回りを見続けてきた僕が、中古車オーナーが絶対に知っておくべき「サビ転換」の重要性と、防錆塗装の種類、そして札幌のリアルな費用相場を本音で解説します。
なぜ北海道の中古車は「下回り防錆」が必須なのか?塩害の真実
北海道の冬道を走るということは、いわば「塩水のプール」の中を毎日走行しているようなものです。
道路に撒かれる融雪剤(塩化カルシウム)は、金属を急速に酸化させる性質を持っています。特に中古車の場合、前オーナーがどのような対策をしていたか不明なケースが多く、すでに目に見えない部分で腐食が始まっていることがほとんどです。
融雪剤が散布された道路を走行すると、車の下回りに付着した塩分が水分と反応し、急速にサビを発生させます。対策を怠った車両では、わずか1〜2シーズンでマフラーやフレームに深刻な腐食が見られることも珍しくありません。
出典: クルマの何でも質問箱「融雪剤による下回りの錆」 – JAF, 2024年参照
北海道で中古車を長く乗るためには、融雪剤による塩害という天敵から車を物理的に遮断する下回り防錆塗装が、もはやオプションではなく「必須の生存戦略」と言えるのです。
【結論】: 中古車を購入したら、まずは「高圧洗浄」で下回りの塩分を完全に落とし、プロの目でサビの状態を診断してもらってください。
なぜなら、サビの上からそのまま塗装をしてしまうと、塗装の内側でサビが「蒸し焼き」状態になり、かえって腐食を加速させてしまうからです。初期診断の結果が、愛車の寿命を左右します。
中古車なら絶対に外せない!「サビ転換剤」と「種類」の選び方
中古車の防錆において、新車への施工と決定的に違うポイントがあります。それが「サビ転換剤」の使用です。
新車はサビがないため、直接防錆剤を塗布できます。しかし、中古車には必ずと言っていいほど「赤サビ」が存在します。この赤サビを、進行の止まる「黒サビ」へと化学変化させるのがサビ転換剤の役割です。サビ転換剤と防錆塗装は、中古車保護における「最強のコンビ」であり、サビ転換の工程を省くことは、穴の空いたバケツに水を汲むようなものです。
防錆剤の主要ブランド比較
現在、北海道のプロショップで主流となっているのは、主に以下の2つのブランドです。ノックスドールとウルトは競合関係にありますが、それぞれ得意分野が異なります。
- ノックスドール (Noxudol): スウェーデン生まれの重防錆剤。厚い膜を作り、自己修復性(傷がついても周囲の薬剤が流れ込んで埋める性質)に優れています。特にフレーム内部の「中空部」への注入には欠かせません。既存のサビを抑え込み、内部から守る力が強いため、中古車にはノックスドールが第一選択となります。
- ウルト (WURTH): ドイツのブランド。乾燥が早く、表面がベタつかないため整備性に優れています。新車に近い状態の車や、足回りを綺麗に見せたいオーナーに選ばれます。
【車種別】北海道での下回り防錆塗装の費用相場シミュレーション
「結局、いくらかかるの?」という疑問に、札幌の一般的な相場でお答えします。
費用は、「車種のサイズ(表面積)」と「施工工程の深さ」の掛け算で決まります。中古車の場合、洗浄やサビ落とし(ケレン作業)、サビ転換剤の費用が加算されるため、新車よりも2〜3万円ほど高くなるのが一般的です。
| 車種サイズ例 | 簡易塗装(シャシーブラック) | 標準施工(ウルト等) | フル施工(ノックスドール+サビ転換) |
|---|---|---|---|
| 軽自動車 (N-BOX等) | 1.5万円〜 | 4万円〜 | 6万円〜 |
| 普通車 (ヤリス等) | 2万円〜 | 5.5万円〜 | 8万円〜 |
| 大型SUV (プラド等) | 3万円〜 | 8万円〜 | 12万円〜 |
※「フル施工」には、高圧洗浄、サビ転換、フレーム中空部への浸透性剤注入が含まれます。
例えば、大型SUV(プラド等)の場合、フル施工の相場は12万円〜となります。この金額には、中古車に必須のサビ転換工程も含まれています。
ノックスドールと簡易的なシャシーブラックは、名前は似ていても「防錆性能」においては全くの別物です。 5年以上乗りたいのであれば、初期投資は高くてもフル施工を選んだ方が、最終的なコストパフォーマンス(車両維持費)は圧倒的に良くなります。
失敗しない施工店の選び方と、よくある質問(FAQ)
最後に、どこで塗るべきか迷っているあなたへ、プロを見分けるチェックポイントを伝授します。
施工店選びの3つの鉄則
- 「洗浄」を徹底しているか: 泥や塩分が残ったまま塗る店はNGです。
- 「中空部」への注入を提案してくれるか: フレームの内側から腐るのを防ぐ提案があるか確認してください。
- 「施工写真」を見せてくれるか: 塗ってしまえば見えない場所だからこそ、工程を記録している店は信頼できます。
よくある質問(FAQ)
Q. マフラーのサビも防げますか?
A. 通常の下回り防錆剤は耐熱性がないため、マフラーには専用の「耐熱防錆塗装」が必要です。セットで施工することをおすすめします。
Q. 10年落ちの中古車でも意味はありますか?
A. 大いにあります!むしろ、これ以上サビを進行させないために、サビ転換剤を用いた施工が最も価値を発揮するのが高年式車です。
まとめ
北海道で中古車を一生モノにするために必要なのは、「今あるサビをサビ転換剤で封じ込め、ノックスドール等の強力な薬剤でシールドする」という正しい選択です。
「自分の車の下回りが今どうなっているか」を知ることが、最初の一歩です。まずはスマホを車の下に差し込んで、写真を撮ってみてください。もし茶色いサビが見えたら、手遅れになる前に、サビ転換工程をしっかり行ってくれる信頼できるプロに相談しましょう。
あなたの愛車が、次の10年も北海道の雪道を力強く走り続けられるよう、心から応援しています!
参考文献
- JAF クルマの何でも質問箱「融雪剤による下回りの錆」
- 阿部商会 Noxudol(ノックスドール)公式サイト
- ウルトジャパン(WURTH)車両メンテナンス製品ガイド


コメント