【損しない】廃車買取と中古車買取の違いとは?あなたの車に最適な売却方法をプロが解説

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【損しない】廃車買取と中古車買取の違いとは?あなたの車に最適な売却方法をプロが解説

10年落ちの愛車、事故で動かなくなった車、車検が切れて放置している車。「もう価値がないから廃車にするしかない」と諦めていませんか?実は、その判断が大きな損につながる可能性があります。

車の売却には大きく分けて「中古車買取」と「廃車買取」の2つの選択肢があり、あなたの車の状態によって選ぶべき道は全く異なります。この違いを知らないまま手続きを進めると、本来なら値段がついたはずの車を無料で手放してしまったり、逆に余計な費用を請求されたりするケースも少なくありません。

この記事では、車の売却における重要な分岐点である「中古車買取」と「廃車買取」の決定的な違いと、あなたの愛車に最適な売却方法を見極めるための具体的な判断基準を、専門家が徹底的に解説します。

この記事を書いた人

  • 査定一道

    はじめまして。 当サイト『車買取の縁側』で案内人を務める、査定一道(さてい・かずみち)です。 長年、中古車査定の現場で1万台以上の車と向き合ってきました。 その中で痛感したのは、知識の差で愛車の価値が正当に評価されないケースの多さです。 このサイトでは、特定の業者に偏らない中立の立場で、あなたの愛車が最高の「縁」に巡り会うためのお手伝いをします。 売却に関する疑問や不安があれば、どうぞこの縁側でゆっくりしていってください。


この記事の監修者

  • 鈴木 健二/自動車リサイクル市場アナリスト

    自動車リサイクル市場アナリスト。大手自動車メーカーに対し、循環型経済移行に関するコンサルティングを提供。経済産業省の研究会で、将来のバッテリーリサイクルサプライチェーンに関する提言を行った経験を持つ。法制度から国際的な資源循環、EV化といった未来のトレンドまでを網羅し、消費者が賢明な意思決定を行うための情報発信を続けている。


一目でわかる!「廃車買取」と「中古車買取」の決定的な違い

まず、2つの売却方法が根本的に何が違うのかを理解しましょう。最も大きな違いは、「車の価値をどこに見出すか」という点にあります。

  • 中古車買取:車を「商品(再び走る乗り物)」として評価します。
  • 廃車買取:車を「資源(鉄やパーツの塊)」として評価します。

この視点の違いが、査定額や手続きの全てに影響します。以下の比較表で、全体像を掴んでください。

表: 「中古車買取」と「廃車買取」の比較

項目 中古車買取 廃車買取
価値の基準 走行可能な「自動車」としての価値 鉄・金属などの「資源」や「パーツ」としての価値
主な対象 年式が比較的新しく、走行距離が少ない、自走可能な車 低年式、過走行、不動車、事故車、水没車
価格の可能性 数万円~数百万円(車種や状態による) 数千円~数万円(最低0円以上の買取保証が多い)
手続き 名義変更手続きがメイン 永久抹消登録(廃車手続き)がメイン
メリット 高価買取の可能性がある どんな状態の車でも買い取ってもらえる

あなたの車はどっち?3つのステップで簡単チェック

「自分の車がどちらに当てはまるのか分からない」という方のために、簡単にセルフチェックできる3つのステップをご紹介します。この基準で判断すれば、大きく間違うことはありません。

Step1: 年式と走行距離を確認する

まず、車検証やオドメーターで「年式」と「走行距離」を確認しましょう。これが最も基本的な判断基準となります。

  • 中古車買取の可能性が高い年式が10年未満、かつ走行距離が10万km未満
  • 廃車買取を検討:年式が10年以上経過、または走行距離が10万kmを超えている

一般的に「10年10万km」が中古車としての価値が大きく下がる目安とされています。これを超えると、中古車買取店では値段がつかないケースが増えてきます。

Step2: 車の状態を確認する

次に、車の物理的な状態を確認します。特に重要なのは「自走できるかどうか」です。

  • 中古車買取の可能性が高い:問題なくエンジンがかかり、公道を走ることができる。
  • 廃車買取を検討事故や故障で自走できない(不動車)、水没したことがある、フレームに損傷がある事故歴(修復歴)がある。

自走できない車は、中古車として再販することが困難なため、ほとんどの場合「廃車買取」の対象となります。

Step3: 車検の残り期間を確認する

最後に、車検の有効期間も判断材料になります。

  • 中古車買取の可能性が高い:車検の残り期間が3ヶ月以上ある。
  • 廃車買取を検討:車検が切れてから1年以上経過している。

車検が残っている車は、それ自体に価値があるため中古車としてプラス査定になります。逆に、長期間放置された車は部品の劣化が進んでいる可能性があり、廃車買取が適している場合があります。


【ケース別】最適な売却方法の選び方

上記の3ステップを踏まえて、よくあるケースごとにどちらの売却方法を選ぶべきか、具体的な例を見ていきましょう。

ケース1:10年落ち・12万km走行のセダン。エンジンは快調で自走可能。

→ まずは「中古車買取」に査定を依頼すべきです。

「10年10万km」を超えていますが、まだ問題なく走れる車は、中古車として値段がつく可能性が十分にあります。特に海外で人気の車種であれば、国内相場以上の価格で買い取られることも。ここで諦めて廃車買取に直行するのは非常にもったいない選択です。まずは複数の中古車買取業者に査定を依頼し、値段がつかない場合に初めて廃車買取を検討しましょう。

ケース2:交差点で事故に遭い、フロント部分が大破。エンジンもかからない。

→ 迷わず「廃車買取」に相談しましょう。

自走不可能な事故車は、中古車としての商品価値はほぼありません。しかし、廃車買取業者であれば、損傷していないパーツや鉄資源としての価値を評価し、買い取ってくれます。レッカー費用や手続き費用も無料で代行してくれる業者がほとんどです。

ケース3:車検が切れて2年。庭に放置していて、タイヤの空気も抜けている。

→ 「廃車買取」が有利な可能性が高いです。

長期間放置された車は、バッテリー上がりだけでなく、エンジン内部やゴム部品などが劣化している可能性があります。再び公道を走れるようにするための整備費用を考えると、中古車としての価値は期待できません。このようなケースでも、廃車買取なら資源として価値を見出し、買い取ってもらえます。


まとめ:正しい知識で、愛車の価値を最大限に

「古いから」「動かないから」という理由だけで、愛車の価値をゼロと決めつけてしまうのは早計です。

「中古車買取」と「廃車買取」の違いを正しく理解し、あなたの車の状態に合った売却方法を選ぶこと。それが、長年連れ添った愛車の価値を最後まで引き出し、損をしないための最も重要な知識です。

もし判断に迷った場合は、まず「中古車買取」の無料査定を試してみて、値段がつかなかったら「廃車買取」に切り替えるという手順が、最も確実で損のない方法と言えるでしょう。あなたの賢い選択を応援しています。

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