15年落ちの車の価値は?税金と売却の最終判断ライン【専門家が解説】
愛車が15年目を迎え、「さすがにもう価値はないだろうか」「13年目の増税は乗り越えたけれど、この先どうなる?」といった、新たな不安や疑問をお持ちではないでしょうか。10年落ちとは異なる、15年落ち特有の課題があるのは事実です。しかし、価値がゼロだと諦めるのは早計です。
この記事では、15年落ちの車が直面する「18年目の増税」という次の壁や、具体的な価値の決まり方を解説し、あなたが「売却」「乗り続ける」「廃車」のどれを選ぶべきか、後悔しないための最終判断ラインをデータに基づいて示します。
結論:15年落ちの価値は「海外での人気」と「部品としての価値」で決まる
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15年落ちの車の価値は、国内の走行距離や年式よりも、海外で需要のある車種か、あるいは部品そのものに価値が見出せるかで大きく変わります。
15年という年月を経た車の価値は、国内の中古車市場の一般的な常識だけでは測れません。多くの場合、価値を支えるのは以下の2つの要素です。
- 海外での根強い人気: 特にトヨタのハイエースやランドクルーザー、カローラといった車種は、その圧倒的な耐久性と信頼性から、アフリカや東南アジアなどの国々で「15年選手」であっても高い需要があります。これらの車種は、国内では考えられないような価格で取引される可能性があります。
- 部品(パーツ)としての価値: たとえ車として動かなくても、エンジン、トランスミッション、さらには外装パーツに至るまで、個々の部品に価値が見出されることがあります。特に、既に生産終了している車種の純正部品は、修理用として高い需要があるためです。
迫りくる「18年目の増税」とは?13年目との違いを理解する
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13年目に続き、18年目には自動車重量税がさらに約10%重くなります。これが、15年落ちの車を所有し続けるかどうかの大きな判断材料となります。
13年目で自動車税と自動車重量税が一度上がりましたが、実はもう一段階、税金が重くなるタイミングがあります。それが新車登録から18年を経過した時点です。
対象となるのは「自動車重量税」で、13年目の増税額からさらに約10%上乗せされます。これにより、新車時と比較すると、最終的に約54%も税額が増加することになります。この「二段階目の増税」が、15年落ちの車オーナーにとっての大きな経済的判断ポイントとなるのです。
経過年数 | 税額 | 新車時からの増額率 |
---|---|---|
13年未満 | 24,600円 | – |
13年経過後 | 34,200円 | 約39%増 |
18年経過後 | 37,800円 | 約54%増 |
【最終判断】売却 vs 乗り続ける vs 廃車 コスト比較シミュレーション
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「乗り続ける」場合の将来コスト(税金+修理費)と、「売却」や「廃車」で得られる金額を天秤にかけ、経済合理性で判断することが重要です。
15年落ちの車を前にしたとき、あなたの選択肢は大きく3つあります。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、ご自身の状況に合った最適な選択をしましょう。
選択肢 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
売却する | ・予想外の価値がつく可能性がある ・将来の修理費や増税から解放される |
・車種によっては値段がつかないことも ・新しい車の購入資金が必要 |
海外人気車種のオーナー、大きな故障が出る前に手放したい人 |
乗り続ける | ・愛着のある車に乗り続けられる ・新しい車の購入費用がかからない |
・18年目の増税が待っている ・故障リスクと修理費が増大する |
現在の車の状態が非常に良く、大きな修理履歴がない人 |
廃車にする | ・確実に車を手放せる ・廃車買取なら数万円になることも |
・手続きが煩雑な場合がある ・売却すれば価値がついた可能性を失う |
既に動かない、修理費が売却額を大幅に上回る人 |
まとめ:15年落ちの車は「情報戦」。諦めずに価値を確かめることが第一歩
15年落ちの車は、多くの人にとって「価値がない」と思われがちです。しかし、この記事で解説した通り、その価値は海外需要や税金の知識、そして専門業者を知っているかどうかという「情報」によって大きく変わります。
最も避けるべきは、「どうせ値段はつかないだろう」と最初から諦めてしまい、本来得られたはずの価値を手放してしまうことです。まずは専門の買取業者に査定を依頼し、あなたの愛車が持つ本当の価値を客観的に把握することから始めてみてください。その上で、乗り続けるコストと比較し、あなたにとって最良の決断を下しましょう。
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