AISの第三者鑑定とは?中古車品質評価シートの正しい読み方と「4点・W1・A2」でも安心して買える理由

車の購入ノウハウ

AISの第三者鑑定とは?中古車品質評価シートの正しい読み方と「4点・W1・A2」でも安心して買える理由

家族のためにネットで見つけた理想のミニバン。写真は綺麗だし価格も手頃で、奥さんに「これどうかな?」と相談しようとしたその時……添えられているAIS評価シートの「4点」という数字や、「W1」「A2」という謎の記号が目に飛び込んできました。

「これって、実はボロボロの車なんじゃないか?」。そんな不安で、相談する手が止まってしまっていませんか?特に家族を乗せる車を探しているあなたにとって、目に見えないダメージや「ハズレ」を引くリスクは何より避けたいはずです。

結論から言いましょう。AISの評価シートに「4点・W1・A2」と書かれている車両は、実は中古車市場において「最も賢い選択」と言える良質車である可能性が非常に高いのです。

この記事では、元AIS認定検査員である私が、プロの視点で評価シートの「本当の読み方」を伝授します。読み終わる頃には、あなたは自信を持って販売店に問い合わせ、納得の一台を手にすることができるようくなっているはずです。


この記事を書いた人
  • 査定一道

    はじめまして。 当サイト『車買取の縁側』で案内人を務める、査定一道(さてい・かずみち)です。 長年、中古車査定の現場で1万台以上の車と向き合ってきました。 その中で痛感したのは、知識の差で愛車の価値が正当に評価されないケースの多さです。 このサイトでは、特定の業者に偏らない中立の立場で、あなたの愛車が最高の「縁」に巡り会うためのお手伝いをします。 売却に関する疑問や不安があれば、どうぞこの縁側でゆっくりしていってください。


なぜAISの評価シートは「暗号」に見えるのか?初心者が知っておくべき鑑定の仕組み

中古車販売店に行くと「鑑定付きだから安心です」と言われることがありますが、その中でもAIS(エーアイエス)の鑑定は別格です。

AISは、トヨタ、ホンダ、マツダ、スバル、三菱といった主要メーカー系の中古車事業部が公式に採用している唯一の第三者鑑定機関です。AISの最大の特徴は、「業界一」と言われる査定基準の厳しさにあります。

多くの読者が評価シートを「暗号」のように感じてしまうのは、AISがプロ向けの厳しい基準で、車両の状態を一字一句、嘘偽りなく記号化しているからです。しかし、この厳格さこそが、あなたを守る最大の武器になります。

AISと他の鑑定機関は、いわば「東大入試」と「一般的な模試」くらい基準が違います。 AISで「4点」が付く車両は、他の甘い鑑定なら「4.5点」や「5点」が付いてもおかしくないほど、高いクオリティが担保されているのです。

「4点・W1・A2」の正体。プロが教える記号の読み方と実車のダメージ状態

さて、あなたが最も不安に感じている「4点・W1・A2」という表記。これらの記号をプロの視点で翻訳すると、全く異なる景色が見えてきます。

1. 評価点「4点」は中古車市場の「優等生」

AISの評価点はS点(新車同様)から0点(修復歴あり)までありますが、「4点」は「大きなトラブルがなく、大切に乗られてきた」ことを示す、最もバランスの良いスコアです。中古車として流通する車両の多くが3点〜3.5点であることを考えると、4点は十分に「特選クラス」と呼べる品質です。

2. 「A2」は日常生活で付く程度の小キズ

「A」はキズ(Abrasion)を指します。数字の2は「10cm程度の線キズ」を意味しますが、これは「少し離れて見れば気にならない、ワックスで消えることもある」レベルです。家族でキャンプに行ったり、スーパーの駐車場に停めたりしていれば、自然と付いてしまう程度のものです。

3. 「W1」は「前のオーナーが大切にしていた証」

最も誤解されやすいのが「W1(補修跡)」です。これは過去にキズを塗装し直した跡を指します。
「塗装した=事故車」と勘違いする方が多いのですが、それは大きな間違いです。W1は、プロが専用のライトを当てて初めて判別できる程度の「綺麗な補修」を指します。むしろ、キズを放置せずに直して乗っていた、前オーナーの愛情の証とも言えるのです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「W1」がある車両を避ける必要はありません。むしろ、安易に「無傷」を謳う車両より信頼できます。

なぜなら、この点は多くの人が見落としがちですが、AISが「W1」と見逃さずに記載していること自体が、その鑑定が極めて誠実に行われた証拠だからです。隠し事がない評価シートこそ、中古車選びにおける最高の安心材料になります。

買っていい車・避けるべき車の見分け方。AISシートでチェックすべき「3つの急所」

「4点・W1・A2」が安心だとしても、全ての4点車両が同じわけではありません。家族を守るために、以下の3点だけは必ずチェックしてください。

① 記号が「骨格(フレーム)」に及んでいないか

外装のパネル(ドアやフェンダー)にW1やA2があるのは問題ありません。しかし、インサイドパネルやクロスメンバーといった、いわば「車の背骨」にあたる骨格部分に記号がある場合は要注意です。たとえ評価点が4点でも、骨格に近いダメージは走行性能に影響するリスクがゼロではないからです。

② 「検査員報告欄」のキーワードを凝視する

図面の下にある小さな備考欄。この欄は情報の宝庫です。

  • 「下回りサビ」: 雪国や海沿いで使われていた可能性があり、長く乗るなら避けたい要素です。
  • 「内装シミ・焦げ」: 家族を乗せるなら、清潔感に関わるこの項目はチェック必須です。

③ 内装評価が「B」以上か

AISは外装だけでなく内装もA〜Eで評価します。家族を乗せるなら「B」以上を推奨します。 B評価であれば、禁煙車で目立つ汚れがないケースがほとんどです。

チェック項目 「買い」の4点 「要注意」の4点
記号の場所 ドア、バンパー、フェンダー ピラー(柱)、トランクフロア
W1(補修跡) 1〜2箇所(綺麗に直されている) 多数(全体的に塗り直されている)
検査員報告欄 特記事項なし、または軽微な汚れ 下回りサビ、エンジン異音、オイル漏れ
内装評価 B評価以上(清潔) C評価以下(使用感・臭いあり)

【FAQ】AIS鑑定に関するよくある疑問:W1は事故車?リセールに響く?

Q: W1と書いてある車両は、将来売る時に安くなりますか?
A: ほとんど響きません。買取店もAISの基準を知っており、W1程度の補修跡なら査定額の差は数万円以内、あるいは評価点が変わらなければ無傷の車両と変わらない評価になることも多いからです。AISの鑑定書があること自体が「素性がはっきりした車両」としてプラスに働くことの方が多いです。

Q: W1は「修復歴(事故歴)」とは違うのですか?
A: 全くの別物です。 修復歴(R点)は、車両の骨格を修正・交換したものを指します。W1はあくまで表面の塗装です。人間で言えば、修復歴は「骨折の手術」、W1は「かすり傷に絆創膏を貼った跡」くらいの違いがあります。

まとめ:鑑定書を味方につけて、自信を持って家族のための1台を

AISの評価シートは、あなたを怖がらせるためのものではありません。むしろ、「この車両はここを直していますが、骨格は無事ですよ」という、鑑定士からの誠実な手紙なのです。

「4点・W1・A2」という表記を見つけたら、それは「プロが厳しくチェックしても、その程度の傷しか見当たらなかった良質車」だと解釈してください。

  1. AISは業界一厳しい。その4点は信頼に値する。
  2. W1やA2は、家族の安全には一切関係ない。
  3. 骨格にダメージがないことを確認すれば、それは「買い」のサイン。

さあ、気になる車両の評価シートをもう一度見直してみてください。評価シートの中に「修復歴なし」の文字と「4点」の評価があれば、それはあなたとご家族にとって、最高の思い出を作るパートナーになるはずです。


参考文献

  • AISの強み – 検査基準の厳格性 – AIS株式会社
  • 中古自動車査定基準及び細則 – 一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)
  • ID車両(AIS鑑定)の読み方ガイド – 株式会社プロトコーポレーション

コメント

タイトルとURLをコピーしました